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インドア派めんどくさがり出不精が釣りをしてきた話

先週の土曜日、釣りに行ってきたんですよ、釣り。魚釣り。

そもそも、私は魚を始め魚介類を食べることがあまり好きではない。ホッケ焼きとか居酒屋で注文されても一切手を付けないし、エビなんぞ出汁ですら味に気づくと吐き気がする程。アサリとかシジミの味噌汁なんてもってのほかだし、イカ焼きなんて臭いの時点でしかめっ面してしまう。しかしその一方で、マグロの赤身の寿司は好物の中でも上位にランクするのではないかというくらい美味しいと感じるし、子供の頃からイクラは大好きだ。そんな複雑な味覚には嫁も「めんどくさい舌をしている」と言うくらいだが、アレはダメ、ソレは大丈夫、コレは好物というのを線を引いてカテゴライズできるものじゃないとは思う。

さて、そんな私が食べもしないし特に面白そうだとも思わない「魚」「釣り」なのである。正直、行きたいなどとは毛ほども思っていなかった。食べもしない魚をわざわざ釣り竿で釣りに行ったところで、次に待っているのはその魚を食べようというイベントに決まっている。嫁がいくら「一緒に行こう」と言おうが、そんな遊びに付き合いたくなんてない。ところがその日、午前中から友人数名と共に大井競馬場で開催されてたリアル脱出ゲームに参加し、そのついでに品川の食肉市場祭りで買い物などをした後に「この後釣りに行こう」という空気になってしまい、ああなんかもうここで1人で家に帰って艦これしてたら超空気読めないヤツの烙印じゃねーの、という無言の圧力が外からかかり内から溢れ、ついには「しょうがないからもう釣り行くよ」という言葉を、私は発していたのである。10月19日午後4時前くらい。

脱出ゲームで敗戦した後に食肉市場で鬱憤晴らしをした、私、嫁、落語家、装蹄師、嫁友人の一行が向かった場所はとしまえんにあるプールを冬季も有効活用しているとしまえんフィッシングエリアというところ。手ぶらで行っても、エサ釣り用の釣り竿レンタル&エサのコーンとイカの切り身を渡してくれた。夏季は流れるプールとして利用されているであろう「擬似川」にはニジマスが放たれていて、釣り糸の先の針にエサを刺して水面に放てば、ものの数分で釣れてしまう。イカなんてニジマス食べるのかよとは思ったが、むしろコーンよりもイカの切り身のほうが食いつきがよく、落語家氏曰く「食われるために生まれてきた魚」であるニジマスのよくわからない生態を目の当たりにした。

落語家氏以外は全員釣り素人ということであったが、私の他3人が釣り糸を垂らしているだけでホイホイ釣れて行くのに対して、私の釣り竿はピクリとも反応しない。場所が悪いのかと釣れていた場所に移ってみても、浮きは浮いたままであった。反応があったと思って竿を上げてみるも、手応えはサッパリ。針につけていたエサは夜のプールの闇に消えていくばかりであった。釣りも釣りで多くのファンがいるのだから、奥深いものがあるのだろうと独り感心に浸っていると、嫁は「魚が嫌いと思ってる人には魚が釣れない、やっぱり好きで食べたいと思ってる人に魚も食べてほしいんだよ」といつもの遠慮ない大声で言うのであった。

あまり持って帰っても食べきれないので後半は釣れてもリリースした結果、釣果は5人で9匹。落語家氏曰く、釣れたニジマスは腐敗防止のために釣り堀で加工するらしいとのことで、水場まで様子を見に行くことに。ここから多少表現がグロくなるので、ご注意を。まずはニジマスのぬめりを塩で揉んで除去し、ハサミを使って腹を捌いて内臓・血合いを取り出し、一通り水洗いをする。ヒレやエラなんかも、後々のためにこの時点でハサミで切除してしまうのが良いらしい。普段、NHKスペシャルの医療モノの手術映像とか見るだけでも気分が悪くなって横になってしまうくらいの私にとって、魚を捌く作業は苦手とするところだ。だが、自分で釣ってこれから食べるであろう魚くらいは、こういうことをちゃんとやっておくのも悪くないかなと思って、2匹ほど捌いてみた。内心では「夢に出そうだわー」とか思ってたものの、隣の落語家氏に手順を確認しながら粛々と作業。内臓を取ったニジマスに、最後また塩を揉み込んで作業終了。逆に、嫁の方が「私はダメ」と言って遠目で見ていた。「子供ができたら一度は釣りに連れて来いよ」とは、落語家氏の弁。そういえば、私も兄も父親は銚子の生まれなのに、一度も釣りなどには連れて行かれたことがなかったな。

釣れたニジマスと共に、嫁友人宅へお邪魔してニジマスパーティーがスタート。嫁友人がもう1人増え、合計6人でのニジマス会となった。半分は塩焼きに、もう半分はホイル焼きに。こういう調理が好きな落語家氏と、嫁のもう1人の友人様が焼いて食卓に運んできてくれたので、せっかくなので私も食べてみることに。うーん、食べられないことはないが、美味しいとも思わない……。それなら、美味しいと言ってモグモグパクパク食べている自分以外が食べたほうが良いに決っている。なので、ぜひ食べてください、ニジマスを。私は、食肉市場で買ってきたハムとかさっきスーパーで買ったオクラとか食べてるから~。

としまえんの釣り堀は、エサをつけて釣り竿を垂らしていればなんとなくで釣れていた。釣りに興味がなくて付き合いできた私が感想として「そういうお膳立てされた釣果があっても面白くないよね。もう少しマゾっぽくないと」と、釣り好き釣り名人の落語家氏に話したら「じゃあやっぱり釣り堀じゃなくて外に釣りにいきましょう」と言われてしまった。どうやら釣りを楽しむ素養はあるらしいが、アウトドア自体が苦手なものでね。肌が紫外線に弱いし、家でぬくぬくとゲームしてたいわ。